庭や 六点の腹六分目

庭師六点(ろってん)の日記です

剪定・手入れ

長久手市剪定

昨日今日と長久手市で剪定しています。
決まっているのはマツ1本だけで、あとは年によって違う高木を何本かやらせてもらっています。

昨日はマツを終わらせて、今はモミジの枝を抜いています。image
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六点(ろってん) 眸耄表漾覆燭ひらじゅん)
〒489-0977
愛知県瀬戸市坂上町506-1
TEL0561-87-4636


シャラ

しばらくずっと他所の応援の仕事ばかりが続いていましたが、先の日曜日、近所のお宅の剪定に伺いました。
初めて私が入らせていただいた時の3年前はすべての木が徒長気味でしたが、やっとツバキ数本とシャラが落ち着いた伸びをするようになってきました。
シャラに至っては、丈を大きく下げてほしいとのことで芯を大胆に伐っていたのが、2ヶ所鋏を入れてあとは実殻をすべて取っただけで済ませられました。

あと徒長が気になるのはノムラとカシとヤマボウシですが、ノムラとヤマボウシはこれまで3年掛かってやっと切り替える枝が出てきましたので大きく透かしました。カシは今回挟み方を少し先回までと変えてみました。

大透かしで強く切った分、また強く伸びる枝も出るでしょうが、以前よりは減る、はず。
上手く切り替わることを願うばかりです。





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想定外

今日の現場は、ひとの剪定の手伝いだったので、早速刈込鋏サックを試用しました。
朝一でサックを見て、「お、いいじゃん」と言ってくれる相手で良かった。



絶妙な使用感です。

脚立に載っても木に上っても、しゃがんでも邪魔にならず、柄が肘に当たることもありませんし、以前刃先を上にしてベルトに柄の片方を挿していた時のように危ないこともありません。
ループはベルトの金具側からも通せるように大きく、斜めにサックが下がるように角度をつけて取り付けてあって、その具合も丁度いい。

刈込を使ったあと、芽切や剪定や鋸に道具を持ち替える際は当然刈込はサックに挿します。置く場所を検討する必要がない。どこかに置くわけでなく身に付けているから、使いたい時にすぐ出せます。

想定通りというのか、想定外といえるほど想定以上に使い心地がよく、大満足です。

晴れて刈込鋏が「腰道具」となりました。



六点(ろってん) 高比良淳(たかひらじゅん)
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苔目地の手入れ

うちのアプローチは裏庭を掘って出てきた石を敷いて作りました。
セメントは一切使わず土極つちぎめで仕上げて、目地には苔を貼った、というか込めたというか嵌めたというか。なんにせよ敷石の隙間は苔目地になっています。
自宅アプローチ敷石

1ミリから5ミリ程度の小石を取り除くことを思いつかず、この上下の写真を撮った際にその必要に気付いてその後少しずつ取り除いています。
自宅アプローチ敷石


ですがしかし、お気づきになりますでしょうか、小石こそ残っているものの、当時から今年の年明けくらいまでは、大袈裟に言えば0.5ミリを超えるような草は一本も生やしていないと自負しておりました。せいぜい2〜3崢度の敷石の隙間のみだからできることではあります。あんまり広ければそもそも草一本生やさない、などということを思いつきさえしないでしょう。
冬はそんなに草も生えてくるものでもありませんし、たまに気付いた時に抜けば間に合いました。昨年の秋までは草の生えるシーズンであってもちまちまちまちま、まめに草取りをしていました。ところがうかうかしている間にぽかぽかの春です。うちのアプローチが完成した2011年の夏頃から考えて、今までなかったくらいに草を生やしてしまっていました。
先だっての雨がいったん上がったあとの雨もよいの日に、久しぶりで苔目地の草引きをしました。

私は苔の中の草引きにはピンセットを用いますが、茎と根が切れることなく、かつ根が比較的真下にまっすぐでそう広がっておらず素直に抜ける種類の草は、指でも簡単に抜けます。親指と人差し指で挟むだけでなく、人差し指と中指で挟んで真上に引き抜くようにする方がうまくいく草も場合もあります。苔が草につられて浮いてくるようであれば、他方の手の指で押さえながら抜きます。これはピンセットで抜く際も同様です。
根が横に広がり気味の草は、つまみ易ければ指で、つまみ難ければピンセットで茎のなるべく元の方を挟んで小刻みにゆするようにしながら引き抜きます。茎と根が切れにくい種類の草はピンセットでも指でも割と無造作につまんでも大丈夫ですが、茎が簡単にちぎれてしまう種類の草は、ピンセットで根そのものの上部を挟む気持ちで抜かなければなりません。
根がまっすぐだの広がってるだの、切れにくいだのちぎれにくいだの、そんな種類は知らない、などという心配は無用です。たくさん草を抜くうちに、その草の顔を見ればどのように抜くべきかは自ずとわかるようになります。
要は場数、手数です。

ピンセットを使って草を抜きます。先端が直のものと曲がりのものを併用すればいろいろ対応できるかと思いますが、どちらか一本ということであれば、曲がりの方が汎用性は高いと思います。材質は錆びにくいステンレスのものがよいでしょう。安いものでなく、少し高目の、できれば「精密用」などと書かれた擦り合わせの精度の高いものがよいでしょう。100円ショップなどにもピンセットは置いてあるかもしれませんが、買っても無駄です。そういった製品では、苔の中の草はまず抜けません。高いと言ってもホームセンターや学用品の扱いのあるお店などで1000円も出せばおつりが来ます。使えない安いピンセットを20本買うより、使える高いピンセットを1本買った方がよほど安上がりです。
ちなみに私は先曲がりのものしか持っていません。
苔目地の草抜き・誤


苔目地の草抜き・誤


このように、と言いたいところですが、これは誤りです。
正しくは以下のようになります。
苔目地の草抜き・正


苔目地の草抜き・正


違いがわかりますでしょうか。
草を挟む位置などではありません。違いは、曲がりの向きです。先の2枚の写真は曲がりが下を向いています。後の2枚は曲がりが上を向いています。これが正解です。

厳密にいえばどちらが正しくてどちらが誤っていらなどの正誤はないと思います。正解不正解はありませんが、私は曲がりを上にして使います。理由は単純です。その方が抜きやすいからです。稀には敷石の石の状況などによっては曲がりが下向きの方が抜きやすい場合もありますので、その辺は臨機応変に。
また、これは敷石の目地など狭い場所に限ってのことであって、苔鉢の中や地面でも一面の苔の中の草を抜く場合は曲がりの向きは逆になります。曲がりを下向きにした方が多くの場合断然抜きやすくなります。

広い範囲に苔を貼って、それを管理するのに草の一本も生やさないようにするのは、正直大変な労力がかかります。
ただし、10センチ四方にも満たないような鉢に苔を載せてやって、それを管理するのであれば、こと草取りだけに関して言えば、そんなに大変なことはないでしょう。雑草も生き物だから、という考え方もありますし、実際うちの庭にはわざわざ植えたり、生えてきてもそれと選択して抜かずにいるいわゆる「雑草」もたくさんあります。
ですが楽しもうと苔の中にわざわざ草を生やすのはいただけません。瞬く間に蔓延って、苔などあっという間に雑草にとって代わられます。100c崢度の小規模なものならなおさらですし、何より目立ちます。
全く草を生やさないようにすることに血道をあげることはありませんが、やっているうちに楽しくなってきて、すべての草を抜き終えたかどうか、目を皿のようにして次抜く草はないものかと探すようになるのではないかと思います。
そうしていよいよもう抜く草はないとわかるとつまらなく感じてしまうかもしれません。
まあ同時に多少の草も気にしないくらいのずぼらさも持ち合わせていた方が楽ですが。

小さな鉢などから苔を楽しむことを始めてみてはいかがでしょうか。
日本庭園や寺院などの立派なものでなくとも、そこには小さな宇宙があるとすら思えます。


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庭や 六点【施工例】春日井市 個人邸【剪定】 マツ

昨日から春日井市の個人邸に剪定で伺っています。
ちゃんと数えていませんが、15〜20本あるマツのうち、座敷に面したものを優先で6日間で出来るだけ、という取り決めです。そこだけでクロマツが9本、ゴヨウマツが1本あります。
昨日1本終わらせました。

1本目の取り掛かり後しばらくして。
M邸マツ1本目着前


1本目完了です。
M邸マツ1本目完了

天端の棚の左側にひと芽「要らないかな」と思っていた芽がありましたが、こうして写真を大きくしてみるとやはり要りませんね。明日はずそう。

そして昨日の終わりがけに取り掛かった2本目のやりはじめる前。
M邸マツ2本目着前


2本目完了です。
M邸マツ2本目完了


2本目の写真で右奥にある3本目も今日終わらせて、4本目をやりかけて今日のところは帰ってきました。

明日も頑張ろう。


六点(ろってん) ・比良淳(たかひらじゅん)
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庭や 六点【施工例】東郷町 個人邸【剪定】 シマトネリコ


迎春2013

あらためまして明けましておめでとうございます。
1日に仕事初めだとかふざけたことを言いましたが、実際には年末の仕事が大晦日、元日、正月二日までだったということで、間にちょこちょこ見積もりに行ったりしましたが、3日から6日までお休みしました。
昨日7日が実質の仕事初めでした。
7日は畑だった土地の草刈集草伐採抜根で、8日は午前中に個人のお宅のシマトネリコを1本剪定、午後から前日の畑の草木以外の諸々の粗ごみを処分しに行きました。
今日8日、朝一番で剪定の現場に向かう途中コンビニに寄ったところ、私の好きな同業の親方に偶然出会いました。
そのコンビニの近くで、以前私が剪定のお手伝いをしたお宅のお隣を剪定すると聞いたので、私の剪定の現場からごみ処分の現場への移動途中に缶コーヒーを買って仕事の手を止めさせて、邪魔をしてきました。
あそこの若い衆はにこにこしてて素直で、いいなあ。


以下、今日午前中のシマトネリコの剪定についてです。こちらのお宅は家を建てられてから8年、その時に植えてもらったシマトネリコは今まで一切切ったことがなかったそうです。
シマトネリコ着前
大きさは今より大きくならないようにしたい、少し小さくなってもいい、街路樹を切った後のようにごつごつした武骨な感じにはしないで欲しい。リビングが暗いのでもっと光が入るようにしたい、ただし、1F リビングと2Fベランダの目隠しでもあるのであまりすかすかになるのは好ましくない、とのご要望でした。

ですので、樹冠の大きさはほとんど変えていません。自然樹形を目指して枝先を小さくさわることも避けています。
8年間放任されていたので、緑が濃いとはいえ素直な枝ばかり伸びていましたので、そのなかでも「お、こいつかっこええ、こいつは先々かっこよくなるな」という枝を残し、「君は悪いけどいない方がいいね。申し訳ないけど君はいてもいなくてもいい、っつーか、まあ、ごめん」という枝を抜き、混み合った中枝・小枝をはずしました。
シマトネリコ完了
光を透す、目隠しになる、のぎりぎりのせめぎ合いより少し透かし目にしています。
実際写真を見るとベランダが透けて見えますが、人の目というものはよほど注視したり悪意を持っていたりしない限り、間に遮るものがあれば、たとえその障害物にある程度大きな隙間や裂け目が合って向こうが透けて見えたとしても、なかなか「見えない・見えていない」ものです。
それはウッドフェンスの隙間や生け垣の枝葉の間隙にも言えることだと思います。
庭師の扱う「目隠し」は、完全に遮蔽するばかりが能ではないと思います。

それはともかく、放任されていいように伸びて、残す枝もはずす枝も選び放題の樹の剪定は、困るというか楽しいというか。選び放題故に迷うのは困りもので、素直な枝を残すにはどうしたらいいか、この先よりよくするにはどれをはずし、どれを残すか考えることはしかし、困る以上に楽しい仕事です。
庭師が樹冠の大きさを変えずに剪定すると「さっぱりしない」と評価を受ける、というのはまま聞く話ですが、今回お客さんには「明るくなってさっぱりした」と喜んでいただけました。

喜んでもらう、それも自分の作業の意図を分かってもらえてそのうえで喜んでもらえる。
嬉しい限りです。


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庭や 六点【施工例】長久手市 個人邸【剪定】 マツ

2年に一回くらいの頻度で伺うお宅にマツの手入れに行きました。
広いお宅で、すべてに手を入れるのでなく、マツその他背の高いもの手の掛かるものから順に時間内で、といった感じでやらせてもらっています。
私が触るマツは数本あるうちの1本で、隔年でお宅のご主人と私が手入れしています。
マツ天端棚近景
撮影の時点ではところどころ枯れ枝が残っています。

今回で私がこの松を触るのは3回目ですが、1回目は枝を整理して棚を割ること、2回目は整理しつつ特に小芽、底芽まで切り戻すことを気にかけました。今回は前回前々回以上に枝数を減らして整理し直し、旅をしている枝をほとんど外しています。長期の計画を立てるほど先を読んでのことではなく、来る度にマツの様子を見て鋏を入れると自然にそうなりました。
あまり素直でない向きに、しかも葉がない部分が長く、時にはとぐろを巻き始めるように回って伸びている枝を、私は「旅をする」と呼んでいます。他の人はどうか知りません。
マツ近景

前回はマツだけでほぼ2日がかりだったように記憶していますが、明日はもう少し早いうちに終われそうです。
マツ中近景
たのしいなあ。


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【苔】スギゴケ

今日の現場は他所の造園屋さんの剪定のお手伝いでした。飛び石の周りにスギゴケが生えていました。
スギゴケ

この辺りでこんな立派なスギゴケ見たの初めてです、と、手伝い先の親方に言ったところ、これでも少なくなってしまったとおっしゃっていました。

うちでも試しにウマスギゴケと思われるスギゴケを育てていますが、なかなかうまくいきません。
そう好きな苔ではないと思っていましたが、、こちらのお宅のスギゴケはとてもきれいでした。
スギゴケ



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枝の整頓

ちょっと古くて7月末の仕事です。

うちは5年ほど前に今の家に越してきています。近所の方でいつも犬の散歩をされていてうちの前を通られて、お互いに挨拶をするようになっていた方が、今年7月になった頃、「ゴヨウマツ1本だけなんだけど、剪定してくれないかな?」とおっしゃってくれました。
去年の6月に独立してからは、通りがかって剪定の仕事を依頼してくださった方は初めてで、喜んで引き受けました。

着前のゴヨウマツ。
ゴヨウマツ着前


これがこうなって、
ゴヨウマツ作業中1


ちょっと近づくとこういう風で、
ゴヨウマツ作業中2


こうなります。
ゴヨウマツ完了


お客さんによると何年か放っておかれたということですが、鋏や鋸が入っていないというだけで、赤くなった古葉は残っていないのを不思議に思って尋ねてみたところ、毎年ご自分で掃除だけはしていたとおっしゃられます。
とてもきれいに掃除されておられました。
そのため、普通何年か放置されているゴヨウマツは中の芽や葉が枯れこんでしまっているものですが、全くそういうことがなく、枝先だけでなく、比較的容易に懐にも緑を残すことができました。それでもこの程度の仕上がりか、というのであれば、それはお客さんの掃除のせいではなくて、私の技術が至らないせいです。精進せねばなりません。
比較的容易だったとはいえそれでも少し枝が遠いので、この先もお手入れさせていただけないかとお願いしたところ、こころよく了承していただけました。毎年の手入れは必要ないかもしれないけれど、たまに様子を窺いにお邪魔させてもらえるようお願いしておきました。

もっと目と手を磨いて芽数を増やして棚を拵えていって、立派なゴヨウマツにさせていただけるよう努めるのが楽しみです。


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